2010年08月15日

〜視覚障害者アスリート今井裕二さんとの出逢い〜パートE

遡ること5年・・・

2005年7月3日

長居第一陸上競技場

第16回日本障害者陸上選手県大会

当日はすごい雨で、一時はシャワーの様な雨が競技場のトラックを打ち付けていました。

その日の目標はただ一つ・・・

T11(全盲の部)の800m日本記録を樹立すること。

その日までに本当に色々なトレーニングをしました。

仕事が終わって時間の許す限り、走り込みからスピード練習・・・

そして、色々な体幹を鍛えるトレーニング・・・

などなど、二人の身体は本当に引き締まっていました。

もちろん、雨の時にも練習はしていたので少々の雨でも大丈夫という気持ちはあったのですが、予想以上の降水量・・・


今井さんの緊張はピークにきていました。


練習でのタイムは2分20秒を切れるぐらい。

日本記録の達成は本当に微妙なラインでした。

ウォーミングアップも雨のため時間をかけて行うことにしました。

横で走っていても今井さんの鼓動が聞こえてきそうなぐらい今井さんは緊張していたと思います。

これからどのようなレース展開になるのか・・・

しっかり不安のラスト200mは走ることができるのだろうか・・・

お互いが持っている紐から色々な感情が伝わってきました。

召集場所に行き・・・

いよいよスタートの時を迎えようとしていました。

そのとき、今まで大雨だった天気が少しずつ小雨になり、スタート直前にはほぼ止んでいました。

「天気も味方してくれてますね!!」

「野口くん晴れ男やもんね〜!!」

「はいっ!! しっかり走れば結果ついてきますよ!!」

「せっかくやから楽しんで走りましょうね!!」


位置について・・・

「バン!!」

スタートの号砲とともに私たちは勢いよく飛び出しました。

最初の200mを気持ち良く入り、リズム良く・・・

テンポ良く・・・

「いい感じですよ!!リズムリズム・・・」

「直線入ります!!」

緊張からか思っている以上にスピードが出たようで・・・

呼吸の乱れが早いのが分かりました。

〜かなりいい感じでここまで来てる!!〜

〜このままいくと日本記録は間違いない〜

私は心の中で念じていました。

2周目に入るとだんだんばててきて、ラスト300mは本当にきつかったようです。

「今井さん、しっかり前!!ラスト300mやでっ!!」

意識をはっきりもってもらおうと、できるだけしっかりした口調でどんどん声を掛けました。

「ラスト200!!」

「腕ふって腕!!」

下半身は完全に乳酸がたまって動きが小さくなってきたので、最後は上半身で何とか前に進む力を生み出そうとしました。

「今井さん、ラスト100!!ラスト100やでっ!!」

「足前出して!!ラストラスト!!」

「ラスト50!!」

「ラスト30!!」

「ゴール!!」

ゴール直後、今井さんはヘロヘロになっていましたが・・・

「ありがとう!!」

と言ってがっちり二人握手して抱き合っていました。

まだ結果は分からなかったのですが、充実していて最高の気持ちになったのは事実です。

記録は・・・

2分17秒98

日本新記録を樹立しました!!

2010年の今もその記録は破られていません。


パートFでは兵庫県内初となる健常者への大会出場を書きます。
posted by T&F.net KOBE at 16:29| Comment(0) | 出会い
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